●●●● No.70/がんがん様 ●●●●


 タイトル: ゾロたしパロディ第1弾! 「たいへん!!たしぎの眼鏡が割れた!」
  
 
 
 ぶぁりっっ。 メシメシミシッ・・・・・。
 
 >何かが割れる音がした。
 ルフィ 「あ!!!!」
 チョッパー 「・・・・あっ!!」
 サンジ 「あ?」
 ウソップ 「あああああああああああっっっっっ!!!!」
 ナミ 「・・・ちょっと、やばいんじゃない?」
 
 >それは、海軍の女曹長の眼鏡であった。
  3日前、とあるこの島で、ゾロと一戦を交えた女曹長たしぎが落としていったものである。
  ゾロがその眼鏡を預かり、ゴーイングメリー号のデッキのテーブルの上に保管していた。
  それを今、ルフィが、ウソップやチョッパーと悪ふざけをしたはずみに、踏みつぶしてしまったのだ。
 
 ルフィ 「まずい!!どうしよう!!?」
 ウソップ 「こ、こんなのはどうだ?!巨大な隕石が急に空から降ってきて、おれたちが眼鏡を手にした時には
       すでに粉々に・・・」
 チョッパー 「インセキってそんなにすごいのか?オレ、見たことないよ!!」
 ナミ 「あんたたち何してくれてんのよ!?ただでさえ、さっき私がゾロの洗濯したてのハラマキにコーヒーこぼした
     とこなのよ?!」
 ルフィ 「ナミ、お前何いばってんだ?」
 チョッパー 「大変だ!!ゾロが帰ってきた!!」
 
 >停泊しているゴーイングメリー号に、ゾロはゆっくりよじ登ってきた。
 ウソップ 「や、やぁ、ゾロじゃないか!!さっき向こうで伝説の巨大パンダマンに出くわしたぜ!こっちに戻るな。
       お前、行って見てこいよ!!」
 ゾロ 「うそだろ。」
 
 >その時、ルフィが堂々と、ゾロの目の前に立ちはだかった!!
 ルフィ 「ゾロ!!!!」
 ゾロ 「あァ?!」
 ルフィ 「すまん!あの女の眼鏡、おれが割った!!すまん!!!」
 ナミ 「(出たっ・・・!!あのバカ正直!!)」
 
 >ルフィは粉々になった眼鏡をゾロに手渡した。
  ゾロが手にすると、眼鏡のレンズははらはらと舞い落ちた。フレームはぐにゃりと曲がっている。
 ゾロ 「!!!!!」
 ナミ 「あ、あの・・・・ハラマキは私・・・・(苦笑)」
 ゾロ 「・・・・・・・。」
 ウソップ 「おい、メチャクチャまずいぞ、このシチュエーション・・・」
 ゾロ 「・・・鬼・・・・・・」
 全員 「うわあああああああっ!!!!!!!」
 ゾロ 「斬り!!!」
 
 >ゾロはルフィに斬りかかった。
 ルフィ 「待て!待て!ゾロ!!!すまんと言ってるだろ?!」
 ゾロ 「殺す!!!」
 ルフィ 「うわぁ!!・・・謝ってんのに、薄情なヤツ。ならばこっちも、ゴムゴムのォ・・・・・!!!!」
 ウソップ 「やめろー!!船が壊れる!!この船は、この船は!!!!!」
 チョッパー 「止めるんだぁー!!」
 
 バキバキッ。
 
 ナミ 「・・・やめろ。」
 
 >凄まじい一撃。恐るべしナミの棒!ていうかナミ!!二人の戦いはあっけなく終わった。
 
 ばきっ!!!!!! バリバリッ・・・ベリベリベリ・・・・
 
 >どこからともなく、ものすごい音がした。
 ナミ 「ちょっと・・・今度は何なの?!」
 
 
 >そのころキッチンでは、恋するコック、サンジが「特製イカリング」を揚げていた。
  ジューッ。イカの風味が香ばしい。
 サンジ 「何だ?デッキがクソやかましいな。・・・・おっと、オリーブオイルが切れてるぜ。」
 >そう言うと、サンジは下の倉庫へ降りていった。倉庫はキッチンの真下にある。
(絶賛!!「ONE PIECE」 11巻参照)
  
 ガタガタガタッ。
 >倉庫の中に何かの動く音がする。
 サンジ 「ん?」
 >見るとそれは、海軍の女曹長たしぎであった。酒樽か米袋にでもつまずいたらしい。その体は果物に埋もれていた。
 サンジ 「んな?! キミはもしや海軍の?!どうしてここに?!近くでみると100倍かわいいぜぇ!!」
 たしぎ 「勝手に侵入しちゃってごめんなさい!!・・・め、めがね知りませんか??」
 サンジ 「お手を、レディ・・・」
 >サンジはたしぎに手をさしのべて立たせた。
 サンジ 「キッチンへどうぞ。上等なワインがあるんだ。」
 たしぎ 「あ、あの・・・」
 >サンジは、すかさずたしぎの肩に手を回し、上の階へ連れて行った。
 
 >そのころ、怒りの男剣士はキッチンに来て、ひとり、酒を飲んでいた。
 ゾロ 「くそ。あのバカども。・・・しかし厄介なことになったな。あのパクリ女に何て弁解すりゃいい?
     眼鏡なんて拾わなかった、ってことにするのも、なんか気がひけるしな。」
 
 >トタトタと足音して誰かがキッチンに入ってきた。ゾロがゆっくり振り向くと、目の前にエプロン姿のサンジが、
そしてその横にはあのパクリ女がいる!!
 ゾロ 「んな?!なんでてめぇがここに?!!」
 たしぎ 「ロ、ロロノア・ゾロ?!」
 >たしぎはゾロのほうを見た。が、眼鏡をかけていないのでよく見えない。
  ゾロの視線が、たしぎの肩を抱いているサンジの手に向けられた。
 ゾロ 「・・・きさまは料理の最中にまで女口説いてんのか?このラブコック。」
 サンジ 「恋はいつでもアクティブなんだよ、ヘボ剣士が。」
 ゾロ 「あァ?!」
 サンジ 「やるか?」
 >ゾロの手が、雪走にかかった。が、その時、甲板から・・・
 ナミ 「サンジくーん。頼んだ紅茶とクッキーまだかしら?」
 サンジ 「はぁーい!ナミさん。ただいまぁ!!!」
 >ホップ・ステップ・ジャンプで、サンジは愛するナミの元へ飛んでいった。
  弾みながら思う。
 サンジ 「(・・・あの野郎、おれが女の子に親しくしただけで、あんなにキレたっけ?)」
 
 >キッチンには、ゾロとたしぎが残された。
 たしぎ 「あ、あのっ・・・眼鏡知りませんか?」
 ゾロ 「・・・・・(汗)」
 >沈黙が続いた。
  その時、甲板から声がする。
 
 ルフィ 「まぁー、壊しちまったもんはしょうがないからよー。わっはっはっ。
 なぁ、ウソップ、新しい眼鏡作ってくれよう。」
 ウソップ 「よし、じゃあ、おれがウルトラアーティスティックな眼鏡を・・・」
 ナミ 「バカじゃない、あんたたち。だいたいあの女曹長の視力がいくらかも分からないのに、どうやって作るのよ?!」
 
 ゾロ 「(やばいっ・・・!!聞こえる!!)」
 >ゾロは思わずたしぎの腕をぐいと引っぱり、厨房の奥の酒樽の後ろへ連れて行った。そして強引に床に座らせる。
 
 ルフィ 「なあー、眼鏡って高いのかなー?」
 
 ゾロ 「(まだ聞こえてる!!!)」
 >ぐいっ、とゾロはたしぎの頭を自分の胸に引きつけた。そして、
  ぎゅっ・・・。両腕でたしぎの頭を覆い、ルフィたちの声が聞こえないようにした。
 たしぎ 「?!!!!!んな?!何なんですかっ・・・?!」
 >突然のゾロの行為に、たしぎは身動きがとれない。
  自分のすぐ目の前に、ゾロのぶ厚い胸板がある。 たしぎの顔は真っ赤になった。
 怒ったような、困惑したような表情になっている。
  ゾロの腕が少し緩む。ゾロは、たしぎの顔を覗き込んだ。
 
 ゾロ 「・・・おい、訊くが、お前にとって世界で一番大切なものは何だ?」
 >ゾロはひたすら、「眼鏡」とだけは言いませんように、と願った。
 たしぎ 「(なんでそんなことを・・・?しかもこの体勢で・・・)」
 >たしぎの体はまだゾロの胸の中にある。
  ゾロはたしぎの目をじっと見つめた。顔が赤くなるのに気付かれないよう、たしぎはそっと目をそらした。
 たしぎ 「・・・ロ、ロロノア、あなたは何なんですか?」
 >うつむいたままで、思わず聞き返してしまった。
 ゾロ 「あァ?」
 
 >その時、またもや甲板から声がする。
 ルフィ 「おーい!!海軍の女そうちょー!!お前の視力いくらだー?!返事しろー!!」
 >メリーの上でルフィが叫んでいた。
 ウソップ 「おい、どこに向かって叫んでんだよ?」
 ルフィ 「とりあえず海軍基地に向かって叫んでみた。」
 
 ゾロ 「(やべェ・・・!!!!!)」
 >ぎゅっ・・・。
  たしぎの頭は、またゾロの両腕に包まれた。鍛えられた胸板と両腕の間で、頭が砕けてしまいそうである。
 たしぎ 「いたたたたたっ・・・、なんて乱暴な・・・!」
 ゾロ 「す、すまねぇ・・・」
 >頭を締め付けていた両腕がそっと離れ、そのままたしぎの背中を抱いた。
 ゾロ 「おい」
 たしぎ 「・・・はい?」
 >男らしく真実を述べようと決心していた。
 ゾロ 「何を聞いても驚かねぇと、約束できるか?」
 たしぎ 「・・・はい?」
 ゾロ 「実はおまえの・・・」
 >そこまで言いかけて、ゾロは言葉に詰まった。
  たしぎの真っ赤な顔に気づいたからである。妙な空気が流れ、しばらく沈黙が続いた・・・・
  ゾロの鍛えられた両腕が、やさしくたしぎの体を包んでいる。
 
 ドタドタドタ・・・・
 >と、その時、キッチンに何者かが侵入した。
  万年空腹児童、モンキー・D・ルフィであった。
 ルフィ 「このイカリング、うっめー!!!」
 >テーブルから、ゾロたちの姿はまる見えに等しいが、この空腹児童は気づきもしない。
 サンジ 「おのれ、クソゴム!!つまみ食いしてんじゃねぇ!!」
 >サンジがキッチンのドアを蹴り上げ、中に入ってきた。
 チョッパー 「エッエッエッエッ・・・ほんとうまいな!!おれ、イカリングはじめて食うよ。」
 サンジ 「トナカイまで、食ってんじゃねぇよ!!!」
 >ルフィはふと、イカリング2つを目のほうまで持っていき、
 ルフィ 「なんかイカリングって眼鏡みてぇだなー。なー、あの女そーちょーの眼鏡もこんな風になおんねぇかなー。」
 チョッパー 「無理だよ。粉々だもん。」
 
 >ゾロは呆然としたあまり、たしぎの体を手から離していた。
  その隙に、たしぎがよろよろと立ち上がる。そしてルフィたちに向かって・・・
 たしぎ 「あ、あの・・・私の眼鏡、割れたんですか・・・?」
 
 「!!!!!!!!!!!!!!!!」
 
 >一同万事休す!!もはやとりかえしがつかない。
  
 >ゾロは覚悟を決めた。立ち上がり、ルフィのほうへ歩いていく。そしてグイッとルフィの「チョッキ」の襟元をつかみ、
  床に叩きつけて土下座させた。
 ゾロ 「すまねぇ。すべてはこいつの責任だ。斬るなり焼くなり好きにしてくれ。
」
 ルフィ 「ごめんなさい!もうしません。」
 たしぎ 「・・・・・・・・・」
 
 >一同はゴクリと固唾をのんだ。たしぎは何も言わない。
 たしぎ「・・・そ、そうですか。仕方がないです。そ、それより・・・・」
 
 ウソップ 「ああああああああああああっっっっっっ!!!」
 >デッキからウソップの声がした。
 全員 「なんだ?なんだ?!!」
 >一同はバタバタと甲板へ急ぐ。
 ウソップ 「メリーが・・・!!!!メリーが折れてる!!!!!」
 全員 「何ーーーーーーーっ???!!!」
 
 >見ると船首はがくりと折れ、無惨に破片が散らばっていた。
 
 たしぎ「あ、あの、それ私のせいです。すみません!!」
 全員 「何ィ?!!!」
 たしぎ 「ここへ眼鏡を探しに来る時、野犬に襲われそうになって、間違えて斬ってしまって・・・ご、ごめんなさい!!
      眼鏡かけてなかったので、よく見えなくて・・・」
 ナミ 「なるほど、じゃあ、さっきのバキバキって音は、あんたの仕業だったって
訳
 ね・・・」
 たしぎ 「は、はい。・・・しかもそれだけじゃなくて・・・他にも数ヶ所斬りこ
ん
 でしまったから・・・この船、もうすぐ
      崩れるかもしれません・・・・」
 
 ガタンっ!!!!!!!!!!!!!!!!
 
 >ものすごい振動があり、全員の体は中に浮いた。次の瞬間、船はガタガタと崩れ落ちた。
 
 「ギャーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!」
 
 >あわれ、ゴーイングメリー号は船員の雄叫びとともに崩壊する・・・・・
  
  その後の惨事は語るまでもない。
 
 <ちゃん、ちゃん>
 〜おわり〜