No.82/たか様

※この作品は書かれた方が14禁を指定しておられます。14歳未満の方は御遠慮ください!!!


女の子


女の子はいつだって

好きな人の側にいたいと

そう思うものなのです。

 

「もう、いつまで寝てるんですか!!」

お日様がわたしたちの真上をいくころ
わたしは、ゆさぶってもゆさぶっても起きないロロノア・ゾロを
なんとか起こそうとやっきになっていた。
倉庫のドアを背もたれにした状態で、気持ちよさそうに寝息をたてている。

「起きてください!!今日はわたしと手合わせをする約束でした!!」
「ロロノア!!聞いているんですか!!!?」
「いっつも、いっつも自分の稽古はしっかりするくせに、わたしとの手合わせは後回しじゃないですか!!」

ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ・・・・・・・・・・はぁ。
・・・・・・・・・・・・・起きない。

もう、いいや。

こんなことは、いつものことだ。はっきりいってもう慣れた。

でも、

今日だけは、わたしのわがまま聞いてほしかったのに。


ダッテ、キョウハ


もう、いいや。

ひとりで稽古しよ。


スコシデモ、フタリッキリデ


ひさびさに時雨を磨くのもいいかも。


フタリッキリデ、イタカッタノニ


わたしが軍を辞め、彼の待つGM号に合流してからというもの、
わたしたちが一緒にいることが当たり前になってからというもの、
ロロノアはわたしに対してそれほど真剣じゃなくなったと思う。

だって、前はもっと二人の時間をたいせつにしてくれたのに・・・。
もっとわたしにかまってくれたのに・・・・・。

今でも後悔はしていない。軍を辞めてしまったこと。
わたしが信じた絶対的正義は海軍にだけあるのではない、そう、思ったから
ううん、それよりも何よりも
わたしが、わたし自身が彼と歩む道を選んだから。

本当はわかってるの。
彼の気持ちが変わったわけではないということ。
そんな人じゃないってこと・・・・・わかってる。

デモ、キヅイテ。サビシイノ。


GM号にいる間はなかなか二人にはなれない。
頼もしくて、これ以上ないくらい楽しい仲間達。
だけど、
時々、ううん、いつも、彼の体温を感じていたいと思うのは、
いけないことなの?

 

今日、わたしたちはとある港町にたどり着いた。
ログがたまるのは8時間あまり。
みんなはさっそく街に出てった。
わたしたちはお留守番。・・・・せっかく二人なのに。

 

ふと、考えが浮かび私は稽古をしようと動きかけた足を止めた。

・・・・・・・よく寝てる。

そっと手を伸ばしてみる。
意外にやわらかい彼の髪。
長いまつげ。そして唇。

いけないこととはわかっているけど。
あなたが悪いんです、ロロノア。

眠っている彼の唇に唇をあわせる。
・・・・・・・・・・・何の反応もない。
じゃぁ、もっと。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・何か、・・・・・・・・・・・変。
彼に触れているうちに、体が熱くなってくる。

 

ああ、わたし彼に欲情してるんだ。

 

背徳的なことをしていると思えば思うほど
わたしの舌は彼の口内へともぐっていきたがる。

「!!」

「きゃっ!!」

いきなりわたしの腰に伸びてきた手。
びっくりして、体をおこした。

「ロッ、ロロノア!?いつから起きていたんですか!?」

「・・・お前が舌を入れ始める前から。」

「なっ!それなら起きてくれればいいじゃないですか!なんでっ・・・」

「お前がどんな舌の動きすんのか興味あったから。」

「っ!!」

「だって、普段お前って俺のに合わせてるだけだし。」

「ロロノアッ!!!」

おそらくこれ以上ないほど赤面してるであろうわたしの腰を抱きながら
ロロノアはこれ以上ないくらい面白そうに笑った。

「もう、しらないっ!!」

わたしはそう言って彼の腕から逃れようとした。が、

「だめだ、俺をその気にさせたままだろ。」

「っ!!ロロノア!!」

ひきよせられて、唇を奪われる。

重なる唇。背中を這う大きな手のひら。

何も、何も考えられなくするの。





「・・・っん・・・・。」

彼の腕の中。解放された唇が、熱い。
訪れる沈黙。なぜか、うつむいてしまう。

「・・・・・・・・わたし、今日は・・・二人っきりでいたかったんです。」

小さい声で、それでも自分の言いたかったことを素直に言った。

・・・・・・・・・・・・・・・・彼はどんな顔してる?

 

「じゃ、起こせばよかったじゃん。」

「!!起こしても起きなかったんですっ!!!!!」

そうなのか?と悪びれたそぶりもなく彼は笑った。

そして、耳元で囁く。

「続きは倉庫でするか?」

・・・・・・・もうっ!!!///

 

 

四六時中あなたのことを考えて

四六時中側にいたいと思っています。

だって、・・・・だってあなたのせいで

わたしも女の子だということに

気づいてしまったから。