No.204/砂糖増量中。様


この先の事。


この先どうなるか、なんてことは考えても仕方ない事だと思う。
環境も考え方も好き嫌いも、判断も軸も変わっていくものだから。その時その状況をどう思うか判らないんだから。
それなのにどうして恋人たちは、二人の先を考えてしまうんだろう。
例に漏れず私も考えてしまうけど。

「これからどうなるんでしょうね」
「どっかでくたばるまで生きてんだろ」

うーん、私が聞きたいのはそういう事じゃなくて。

「私たちはどうなると思いますか?」
「生きてんなら一緒にいんだろ」

即答するあなたに恋している。

「そうなるといいですね」
「なる。つーか、そうさせる」

強引なあなたに恋している。

「どうやって?」
「他の男なんて目に入らねぇくらいの男になってやる」
「他にも離れる要因はあると思いますけど?」
「全部賭ける価値のある人間になってやる」

自信あるあなたに恋している。

「私はどんなふうになればいいですか?」
「お前はお前でいりゃいい。俺も俺でいる」
「変わっていっても私は私って言ってくれますか?」
「そりゃお前も俺も色々変わってくだろ。でも一緒にいんのは変わらねぇ」

大事なのはひとつだけ。一緒にいるという事。

「ロロノア、私あなたが好きです」
「これからもそうやって聞かせろよ」
「いつも聞いてたら飽きるかもしれませんよ」
「いーや、聞いてたい」
「じゃあ、ロロノアも聞かせて?」
「なんて?」
「そんなの!あなたが考えてください」
「思いついたら言ってやるよ」
「あ、ずるい」
「なんて言って欲しいんだ?」
「私が言ったから聞かせてくれるんですか?」
「その通りに言ってやる」
「…やーです、そんなの」

確かめてたいのはひとつだけ。愛されてるという事。

「わーった。お前に惚れてんぜ、たしぎ」
「それを聞かせてくださいね」
「お前が飽きても言う」
「私のほうがいっぱい言うと思うから、あなたが飽きるのが先です」
「俺は大丈夫。お前の方が飽きる」
「飽きません。あなたが飽きます」
「お前は強情で面白れぇから飽きねぇよ」
「あなただって強引だから飽きません」

「じゃー結局、大丈夫だってことだな」
「ですね」

この先どうなるのっていう質問は、きっと答えや確証が欲しいからじゃない。
気持ちが知りたいからだと思う。確かめたくて伝えたくて、私はきっと何度も聞くと思う。
この先どうなりますかって。
そしたらあなたはその時の気持ちを言って?いつだって気持ちを伝えていてね、ダーリン。

 

- END -